[ホントにあった怖い話]姉の友達

恐怖体験

今回のお話は僕の姉
そして姉の友達にまつわる話です。

僕には3つ歳上の姉がいます。
自由奔放で何にもとらわれない、ザックバランな性格の姉。
友達も多く、広く浅くとか、狭く深くとか良く言いますが、
姉はどちらでもなく広く深くでした。
そんな姉には専門学校に通っていた時に仲良くなった、Yさんと言う友達がいました。
Yさんはうつむき加減な少し暗い印象をもってしまうような女性でした。
姉の友達には珍しいタイプだなと思ったのでよく覚えてます。

ある日姉が、友達の家に泊まるから「今日は帰らない」と、家に電話が来た。
電話を受けたのは僕で、「わかった、母さんに言っておく」
僕はそう言って簡単に済ませた。
姉の言づてを帰って来た母に告げ、僕は早めの床に就きました。
どのぐらい経ったでしょうか。
けたたましく鳴る携帯の音で目が覚めました。
姉でした。
今すぐ○○市のどこどこまで迎えに来てくれとのこと。
その声はとても焦っていて、危機迫る感じでした。
「どうした?」と聞くと、
「いいから早く来い」と怒鳴られる始末で、
めんどくせ~と思いながらも姉のところに向かいました。
指定された住所に着くと、そこには古ぼけた2階建てのアパートがあり、
その2階の端の部屋が友達の家らしく、姉はもうすでに玄関から外に出てうずくまってました。
僕は姉に駆け寄り、事情を聞こうとした時、玄関のドアが開いた。
そこにはYさんがいました。
僕が何があったのかとYさんにたずねると、
Yさんからこう言われた。
二人は朝から遊園地に行った後に買い物したり、食事に行ったりと楽しく過ごしていて、
夜も遅い時間になってしまったので、今日は泊まって行けばと言うことになり、
飲み物やらお菓子やらを買い込んで、Yさんの家で夜中までテレビを観ていたと言う。
すると、突然姉が挙動不審になり、発狂して家を飛び出したと言うことだった。
そしてその飛び出してきたと言う姉が今目の前でガタガタ震えている。
とりあえずYさんに「何かすいません」と言って姉を車に乗せて帰ることにした。

車の中で姉に何があったのか問いただした。
「あの家もあの子も変だわ」
と、姉が口を開いた。
夜中までテレビを観ていたというところまではYさんから聞いたのと一緒で、
その後が少し聞いたのと違っていた。
突然テレビの調子が悪くなったのか、途切れ途切れになったり、砂嵐が混じったような画像に
なったり異変が起き始めた。
さらに、家中でなるラップ音。
それも尋常ではない数のバキバキという音やガラスの割れるような音、女性の低い声でううううという
うめき声のようなものまで混じって聞こえる。
これはヤバイと思い部屋から出ようとしたその時、ガッとYさんに腕をつかまれた。
えっ?と思いYさんを見てゾッとした。
なぜならYさんはニヤニヤとおかしな笑みをうかべながら、「どこに行くの?」と言ってきた。
どこに行くも何も、「あんたこの部屋やばいよ、外に逃げよう」と姉がYさんに促すと、
Yさんはまたも奇妙に笑いながら「なんのこと?大丈夫だからここに居てよ」と言ってくる。
さらに、ここに居てよとだけ何の抑揚も無い機械的な声で何度も繰り返し言ってくる。
狂気を感じた姉はYさんの手を振りほどいてダッシュで家を出て僕に連絡したとのことでした。
しかし、友達をほおっておけず、玄関の前に居たという。

話し終えてからは終始無言だった姉が、もうすぐで家に着くかといった時に
「なにこれ?やばっ」とつぶやいた。
「どうしたの?」と聞くと、
「これ見て」と携帯電話を渡された。
昨日の遊園地での観覧車に乗ってるときの自撮り写真だ。
Yさんと姉がピースをして写ってる。
ん?これYさん?
今までもYさんには会ったことがあったし、むしろさっきも会ったばかりだ。
なのに少し雰囲気が違う気がする。
・・・・・・・髪型というか髪の長さが全然違うのだ。
Yさんは男性でも居そうなぐらいのショートカットの女性なのに、写真に写ってる女性は
肩よりも長く伸びた髪がまるで強風にでも煽られてるかのように、振り乱している。
なんで?と困惑している僕に姉が「上下逆にして見てみて」と言う。
言われた通りにしてみると、全身の毛が逆立つ感じがした。
なんと、Yさんの振り乱している髪の毛らしき物は、逆さにすると、全てが人の顔で構成されているのだ。
髑髏や骸骨にも見えるようなくぼんだ目をした人の顔が、何人も重なりあう感じで写っている。

Yさんの家での出来事、姉に対する言動、僕についた嘘ともとれる状況説明。
Yさんには何者かが、何者か達が憑りついていたのだろうか。
元々家に巣食う者なのか、Yさんが家に持ち帰ってしまった者なのかはわからない。
ただ、関わらないに越したことはないと僕は思う。
姉もそれ以来Yさんとは連絡をとっていないらしい。
ちなみに携帯の中の写真は怖いから削除したらしいです。

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