[ほん怖]ヤンキー母校に死んで帰る

恐怖体験

少しだけ私の昔ばなしをしたいと思います。
もし良かったら聞いて下されば幸いです。

当時私は、高校を卒業してからやりたい事もなくただプラプラ過ごしていました。
遊び呆けて、お金が無くなったらバイトしての繰り返し。
ただ幼い頃から怖い話が好きでした。
ホラー映画を観ること、地元の心霊スポット巡りなどが趣味でした。
しかし、特に霊感があるわけでもないので、
何かを見たり聞いたりしたことはありませんでした。

先生に
「Kの事聞いたか?」と尋ねられた。
Kとは、私の在学中に良くつるんでた友達で、先生にとっては自分が顧問を務めていた、
ボクシング部の生徒だった。
「何かあった?」
「昨日高校の近くにあるコンビニで久々にあったよ。」
と、私が言うと、先生はとても怪訝そうな顔で眉をひそめる。
「昨日じゃなくて、一昨日だろ?」と、先生が強めな口調で言ってきた。
なぜそんな事を聞かれてるのかはわからなかったが、
会ったのは間違いなく昨日だと言うこと、午前中の早い時間に学校に来ていたので
むしろ7~8時間前だと告げた。
変だなと言った顔で先生は何かぶつぶつ言ってる。
私は
「なに?なんで?」と問いただす。
「・・・・・・。」
「Kは昨日亡くなったんだよ。」
そう言われた。
いやいやいや。
昨日の夜会ったし、会ったのは私の他に5人(私を入れて6人)もいる。
全員がKの同級生で懐かしんで、しばらくコンビニの外で話をしていたのだと、
先生に言うと、
「朝、お姉さんがKの部屋に入ると・・・・・・自殺していたらしい。」とのこと。
続けて先生が、
不思議というかわからないことがあると言った。
たとえ事故であったり自殺、病気などで元生徒が亡くなった場合でも、
卒業してから2年も経った後に、部活の顧問に連絡がくることなど
今までの教師人生の中では無かったと言う。
ましてや友達等より先に。
私は知っていました。
Kが先生にとても感謝していたこと。
容姿端麗でスポーツ万能、しかし素行不良だったK。
悪さばかりを繰り返すKに、他の教師たちは匙を投げたが、先生は違った。
しつこく付きまとい親身になって話を聞いて、憂さ晴らしで良いからボクシング
やらないかと誘った。
最初は嫌な顔をしていたKも、徐々に先生の言うことだけは聞くようになり、
ボクシング部にも入部した。
卒業する前ぐらいにKが言っていた。
本当に先生には感謝していると。

私の20歳になったばかりの話です。
もともと映画好きな私は、映画の製作に携わりたくて
映画製作の専門学校への進学を考え、日夜勉強に励みました。
ある日、受験をするにあたり以前通っていた高校に願書の請求をしに、
当時の担任の先生を訪ねたました。
その時に話した内容がとても不思議だったのです。

少し話を戻して、私がKに会った昨日の夜の話。
男女友達6人でドライブがてらプラプラしていた。
ドライブも飽きてきて、コンビニに寄って酒でも買って、花火でもしようぜと言うことになった。
それでたまたま寄ったのが、通っていた高校の近くのコンビニ。
中に入ってどの花火買うとか、どんな酒買うとかはしゃいでた。
するとコンビニの中央に真っ黒なスーツに身を包んだ長身の男が立っていた。
2年ぶりに会うKだった。
みんなで久しぶりだなってことで話がはずんだ。
コンビニの中だと迷惑になるからと、外に出て話すことにした。
ふと、みんなで「こんな夜中に1人でスーツなんか着てなにしてんだ?」って。
するとKは
「オレ今ホストやってんだ」
「で、今帰り」と言う。
若干の違和感を覚えたがその時は気にも留めなかった。
一通り話し終えて、Kは帰ると言うのでまた今度遊ぼうぜと言う事になり、
その場はKと別れることになった。
別れ際にKが「あっそうだ。」とこちらを振り返り、
「先生によろしく言っといてくれ。」心なしか私に向かって言っていた気がした。
卒業して2年も経つのに、なんでいまさらって思った。
しかも私達に言ったところで、先生に伝える機会なんてない。

その理由が今わかった気がしている。
私がこの高校に来て、先生に会うことをKは知っていたんじゃないだろうか。
もちろん先生には伝えた。
先生は私の前で泣き崩れた。
でも先生も私もすでに気付いている。
時系列がおかしい。
私達がKに会った前日の朝に、Kは亡くなっているのだ。
しかし、私達は亡くなっているはずのKと和気あいあいと会話している。
背中に寒いものを感じた。
そして今まさにKと会った時の違和感に気が付いてしまった。
あの時、Kが自分の今の職業はホストだと言った時、
スーツ着てるのもわかると納得しかけたが、アレはホストが着る華やかなスーツ
なんかじゃなかった。
そうアレは喪服だ。
自分がもう死んでいることをわかっていて、
自分で自分の葬式にでも出るつもりだったのだろうか。

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